発達障がいのある子どもを育てる毎日は、工夫と試行錯誤の連続。でも、「苦手」に注目するばかりでは、子どもの“自信”は育ちにくいかもしれません。
実は、どの子にも「得意なこと」「好きなこと」があり、それを見つけて伸ばしてあげることで、心がぐんと安定し、生き生きと輝くようになります。
この記事では、障がいのある子の母であり、支援の専門家でもある筆者が、家庭でできる“得意を伸ばすサポート術”を、わかりやすくお伝えします。
苦手より“得意”に目を向けてみませんか?
発達障がいのある子どもを育てていると、「どうしてできないんだろう」「これも苦手かも」と、できないことに目がいきがちです。でも、どんな子にも「できること」や「好きなこと」があります。
その“得意”に目を向けてあげると、子どもの笑顔がふえたり、自信をもてるようになったりします。
実は、それが子どもの成長を大きく助けるのです。
私自身、発達障がいのある子の母でもあり、長年、障がいのある子どもたちの支援を行ってきました。今回は、家庭でできる「得意を伸ばすサポートのコツ」をお伝えします。
得意を見つける:子どもの“強み”のサインに気づくには
興味の偏りは「才能の芽」?
「同じ電車の名前を何度も言う」「細かいブロック遊びが大好き」――そんな行動、ありませんか?
一見、“こだわり”に見えるこれらは、実は得意のタネかもしれません。子どもが夢中になることは、その子の強みにつながることが多いのです。
日常の会話や遊びから見えるヒント
日々の会話や遊びの中には、子どもの得意を見つけるヒントがかくれています。たとえば、絵を描くのが好き、音に敏感、数字に興味があるなどです。小さな「好き」が積み重なって、子どもの得意が育っていきます。
無理に引き出そうとしない“待つ力”の大切さ
親として、「もっと得意を伸ばしたい!」と思う気持ちは自然です。でも、あまり先回りしたり、急がせたりすると、子どもがプレッシャーを感じてしまうことも。
まずは、「この子はこういうのが好きなんだな」と、あたたかく見守るところから始めてみましょう。
家庭でできる!得意を伸ばすための関わり方
「ほめ方」ひとつで子どもが変わる
子どもが何かに取り組んだとき、「すごいね!」「よく気がついたね!」と声をかけるだけで、子どもはうれしくなります。
できたことだけをほめるのではなく、「がんばっていたね」「工夫してたね」といった努力も見てあげましょう。
子どもが安心して挑戦できる“環境”を整える
得意を伸ばすには、安心できる場所が大切です。たとえば、落ち着いて集中できるスペースを作る、道具を手の届く場所に置くなど、ちょっとした工夫で子どもがのびのびと活動できます。
応援のカタチ:親が“過干渉”にならないために
「こうした方がいいよ」「それはダメ」など、つい言いたくなるときもありますよね。でも、子どもが自分の力でやってみることも大切です。親は少し後ろから見守るように、「応援団」のような立ち位置がちょうどいいかもしれません。
実例紹介:専門家ママのリアルなサポート体験
私の子の場合:好きを活かして社会性もアップ
うちの子は、文字に強い興味がありました。最初は「変わってるな」と思ったのですが、手紙を書いたり、読んだものをノートにまとめたりするのが得意だとわかってきました。
その“好き”を活かして、学校の先生との連絡帳を書いてもらったり、お店のメニュー表を作ったりしていくうちに、人とのやり取りも少しずつ上手になってきたのです。
苦手なことは“得意”でカバーできる
人前で話すのが苦手な子でも、得意な絵を描いて説明することで、自分の思いを伝えられるようになったりします。得意なことは、苦手なことを補うチカラにもなります。
家族の理解と役割分担でストレス軽減
一人でがんばろうとすると、親も疲れてしまいます。家族で子どもの得意を共有し、「お父さんは外遊び担当」「おばあちゃんは作品をほめる係」など、役割を分けると心が少しラクになりますよ。
まとめ:「得意を伸ばす=自己肯定感を育てること」
子どもが「これができる!」「これは自分の得意なことだ!」と思えることは、心の支えになります。
それは、自信ややる気につながり、将来への力になります。
できないことよりも、できることに目を向けて、「この子らしさ」を伸ばす子育てをしてみませんか?
毎日の中にある小さな「得意」を見つけて、親子で楽しく育てていきましょう。
おわりに
発達障がい児の育児は、できないことより「できること」に目を向けることで、ぐっと前向きになります。子どもが楽しんで取り組める“得意”を見つけ、家庭で無理なく応援することが、自己肯定感を育てるカギになります。
親が少しだけ見守り方を変えることで、子どもの「できた!」が増え、自信や社会性にもつながります。
毎日の中で気づける「強み」を、今日から一緒に育ててみませんか?小さな変化が、大きな成長の第一歩になります。