「うちの子、ちょっと変わってる？」そんなふうに感じているママはいませんか？ 発達障がいの診断は出ていないけれど、日々の生活で「ちょっと困ったな」と感じる子どもたちはたくさんいます。私も長年、療育の現場でそうした子どもたちと関わってきました。この記事では、グレーゾーンの子どもの「困りごと」を、家庭の中でどうラクにできるか、具体的な工夫をわかりやすく紹介します。
グレーゾーンの「困りごと」、見過ごされていませんか？
発達障がいの診断がつかなくても、「友だちとけんかになりやすい」「朝の支度にすごく時間がかかる」「学校の話をしない」など、気になる様子が見られる子どもがいます。私たちは、そうした子どもたちを“グレーゾーン”と呼ぶことがあります。特別な支援はないけれど、ちょっとした工夫で毎日がラクになることがたくさんあります。家庭の中でできること、一緒に見つけていきましょう。
困りごとの正体を知る：グレーゾーンの子に多い3つの特徴
● 集中が続かない・気が散りやすい
私が関わった小学2年生の男の子は、授業中に立ち歩いてしまうことがありました。でも、よく聞くと「音が気になってしかたがない」と話してくれました。静かなスペースを作ると落ち着いて座れるようになったんです。
● 感覚に敏感すぎたり、鈍感だったりする
別の女の子は、毎朝の着替えに時間がかかっていました。理由は、服のタグがチクチクして気になるからでした。タグを切ったり、肌ざわりのよい服に変えたりしたら、支度がスムーズになりました。
● 指示が通りにくく、行動がゆっくり
「お片づけしてから宿題ね」と伝えても、動き出せない子もいます。そんなときは、言葉だけでなく絵カードや写真を使うと、次にすることがわかりやすくなり、自分から動けるようになります。
家庭でできる！“ラクになる工夫”5選【今日から実践】
● 動線を整えてイライラ減少
子どもがよく使う道のり――たとえば、玄関からランドセル置き場、机までの動線を整理すると、「忘れ物した！」「どこに置いたっけ？」が減ってきます。家具の位置を少し変えるだけでも効果があります。
● 声かけのコツ：短く・ゆっくり・具体的に
「ちゃんとして！」では伝わりません。「くつをそろえてね」「プリントを出してね」と、してほしいことを短く伝えると、子どもは動きやすくなります。
● 時間の見える化：時計・タイマーを使う
時間の感覚がわかりにくい子には、砂時計やタイマーが役立ちます。「あと5分だよ」と言ってもピンとこない子も、見える道具があればスムーズに切り替えられます。
● 選べる家具で感覚過敏をサポート
以前、イスにじっと座れなかった男の子がいました。調べると座面の硬さが気になっていたようで、クッションを変えたら落ち着いて座れるようになりました。机やイスの素材・高さ・形も、子どもに合ったものを選ぶと大きな助けになります。
● 親の心の余裕がいちばんの支え
「またできなかった…」と落ち込む日もあると思います。私自身、そう感じることがよくあります。でも、「今日はこれができた！」と一つでも前向きなことに目を向けると、子どもにも安心感が伝わります。
療育家具という選択肢：子どもの困りごとに寄り添う“環境づくり”
私は「イーチェスク」という学習机の開発に関わりました。この机は、感覚が敏感な子どもでも落ち着けるように、シンプルでやわらかい形、安心感のある色、使いすぎない収納など、たくさんの工夫がつまっています。
子どもを無理に変えるのではなく、環境を整えることで子どもが自然に落ち着く——これは私が療育現場で学んできた、とても大切な視点です。
困りごとは“才能の芽”のサインかもしれない
「困ったな」と思う行動の裏には、子どもが伝えたい思いや、がんばっている気持ちがかくれていることがあります。ちょっとした工夫や見守りで、子どもは自信をつけていきます。私は日々、そうした成長の場面に立ち会ってきました。困りごとを否定せず、「ここを変えたらどうなるかな？」と試してみることが、子どもの未来につながっていきます。
まとめ
グレーゾーンの子どもたちは、ちょっとしたサポートでぐんとラクになります。家庭での声かけや環境の工夫が、子どもの力を引き出すきっかけになります。私たち親も完ぺきじゃなくて大丈夫。少しずつできることを増やしていきましょう。
みなさんのお子さんの“困りごと”には、どんな工夫が効果的でしたか？ よければコメント欄で教えてくださいね。あなたの経験が、ほかのママたちの助けになります。
