ADHDの子に合う学びの空間、実は“イス”が鍵でした

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「うちの子、どうして座っていられないの?」

そう感じたことのあるママは少なくないはず。発達障がいやADHDを持つ子どもたちは、教室という環境の中で多くの困難に直面しています。でも、それは“本人のせい”ではなく、もしかすると“環境”が合っていないだけかもしれません。今回は、私自身も障がいのある子の母親として開発に関わった「療育家具」が、どうやって子どもの学びを支え、教室の風景を変えていくのかを、実例を交えてご紹介します。

目次

はじめに|「座ること」が学びの第一歩

私たち大人にとっては当たり前の「椅子に座って授業を受けること」。でも、発達障がいのある子どもたちにとっては、それがとても大きなハードルになることがあります。落ち着いて座れなかったり、姿勢がくずれてしまったりすると、集中することも、先生の話を聞くこともむずかしくなります。

「うちの子、やる気がないのかな」と思うかもしれません。でも、もしかしたら、その子の体に合った“家具”があれば、もっと安心して学べるのかもしれません。今回は、そんな「療育家具(りょういくかぐ)」が教室にもたらす新しい可能性について、お話しします。

 教室で起こる“困りごと”──ADHDや発達障がいの子どもたちのリアル

発達障がいのある子どもたち、たとえばADHD(注意欠如・多動症)の子どもは、じっとしていることがむずかしかったり、気になる音やまわりの動きにすぐに反応してしまったりします。

また、イスに長く座っていられなかったり、姿勢がぐらぐらしてしまったりする子もいます。その結果、先生の話が聞こえなかったり、プリントを書くのに時間がかかったりするのです。

でも、これは「がんばっていないから」ではありません。体の感じ方や落ち着く環境が、みんなとちがうだけなのです。


療育家具とは?──専門家とママの視点で生まれた新しい選択肢

療育家具とは、発達障がいのある子どもたちが、安心してすごせるように工夫された家具のことです。たとえば、イスの高さや机の角度を調節できたり、背もたれが体をしっかり支えてくれたりします。

私は、障がいのある子の母親として、そして大学で子どもの教育を研究する立場から、家具職人さんと一緒に「イーチェスク」という学習机とイスを開発しました。この家具は、子どもの体に合わせて、いろいろな部分を調整できます。そうすることで、子どもが自然に落ち着けて、「できた!」という成功体験が増えていきます。

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教育現場での導入事例──教室が変わり、子どもが変わる

ある保育園では、イーチェスクを使いはじめたことで、子どもがすっと座れるようになり、落ち着いて先生の話を聞ける時間が長くなりました。支援学級でも、「イスがぐらぐらしなくなった」「前よりも姿勢がよくなった」という変化が見られました。

また、先生たちからは「子どもが自信をもって授業に取り組めるようになった」という声が届いています。子どもの表情が明るくなり、親御さんからも「うちの子に合う家具があるなんて知らなかった」「学校での様子が良くなった」と、うれしい反応をいただいています。

家具を変えるだけで、教室の空気が変わり、子どものやる気も変わる。これは、家具が子どもと先生、保護者をつなぐ“架け橋”になった結果だと感じています。


おわりに|環境を整えることは、子どもへの最大の応援


発達障がいのある子どもたちにとって、「環境」がとても大切です。その子に合ったイスや机があるだけで、安心して学べる場所になります。

教室だけでなく、おうちでもできることはあります。たとえば、イスにクッションを置いてみる、高さを合わせてみる、足がぶらぶらしないように台を置いてみる。そんな小さな工夫が、子どもの「できる!」を支えてくれるのです。

私たちはこれからも、「家具」を通して、子どもたちの学びを応援していきたいと思っています。お子さんに合った環境づくり、一緒にはじめてみませんか?

療育家具のイーシリーズ
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