「机に向かってもすぐ立ち上がる」「集中が続かない」——そんなお子さんの姿に、心配や疲れを感じていませんか?
発達障がいのある子どもたちにとって、学習のしやすさは“本人の努力”だけではなく、“環境づくり”が大きなカギになります。
この記事では、研究者であり母親でもある筆者が、自らの経験と専門知識から生まれた「学習効率を高める秘密兵器=療育家具」について、わかりやすくご紹介します。
ご家庭での小さな工夫が、子どもの「できる」を引き出す第一歩になるかもしれません。
はじめに:毎日の「できない」に悩んでいませんか?
「机に向かってほしいのに、すぐに立ち歩いてしまう」「何度言っても集中できない」「姿勢がくずれて、すぐに疲れてしまう」
——そんなお子さんの様子に、心を痛めたことはありませんか?
私もそうでした。私の息子は発達障がいがあります。特にADHDの特徴が強く、じっとしていられないこと、集中するのが苦手なことがありました。
「うちの子には、勉強なんて無理かもしれない」と思った日もあります。
でも、あるとき気づいたのです。「本人のやる気がない」のではなく、「環境が合っていなかった」のだと。
今回は、同じように悩むお母さんたちにこそ知ってほしい、「学習効率を上げる秘密兵器」についてお話しします。
学習効率アップのカギは「環境づくり」にあった!
私たちは「勉強=がんばるもの」と考えがちですが、発達障がいのある子どもにとっては、それ以前の「姿勢」や「感覚の過敏さ」が大きな壁になります。
たとえば、イスに長く座るのが苦手な子も多くいます。イスが体に合っていないと、すぐに姿勢がくずれてしまい、集中力も続きません。また、まわりの音や光が気になって、学習に集中できない子もいます。
つまり、子どもの特性に合った「学習環境」を整えることが、とても大切なのです。
秘密兵器登場!療育家具の驚くべき効果とは
その「学習環境」を支えるのが、今回ご紹介する療育家具(りょういくかぐ)です。
これは、私自身も開発に関わった、発達障がいのある子のために作られた特別な机やイスです。名前は「イーチェスク」といいます。
この家具には、いくつかの工夫があります。
- 姿勢をラクに保てるように、座面や背もたれの形が子どもに合っている
- 気が散りにくいように、机のまわりにパーテーションがついている
- 子どもが「自分の場所」と感じられるデザインになっている
実際、うちの子もこの机とイスを使うようになってから、学習の時間がぐっとラクになりました。「机に向かうのが苦じゃない」と言うようになったんです。
ADHD・自閉症の子どもに合った学習環境のポイント3選
① 姿勢保持がラクになる設計
体に合ったイスと机があると、長く座っても疲れにくくなります。姿勢が安定すると、集中もしやすくなります。
② 視覚刺激を減らす工夫
カラフルすぎる部屋や、テレビ、チラシなどの情報が目に入ると、すぐに気がそれてしまうことも。囲いのある机や、シンプルな空間が効果的です。
③ 達成感を引き出す「自分だけの空間」
「ここが自分の勉強スペース」と感じられると、子どもは安心します。自分の名前や好きな色を取り入れたスペースは、やる気を引き出す力があります。
療育は家庭の中にもつくれる!親だからこそできる環境支援
「療育(りょういく)」と聞くと、特別な施設で受けるものと思われがちですが、家庭の中にも取り入れることができます。
私は、専門家であると同時に、発達障がいの子を育てている母親でもあります。だからこそ思うのです。
療育は、「特別なこと」ではなく、「子どもに合った工夫」を生活の中に少しずつ取り入れること。
忙しい毎日でも、子どもに合った机やイスを使うだけで、気持ちがラクになります。お母さん自身も、少しだけ肩の力を抜けるようになるかもしれません。
まとめ:学びやすさは“仕組み”でつくれる!
発達障がいのある子どもが、学びやすくなるためには、「本人のがんばり」だけではなく、「環境の工夫」がとても大切です。
そのための秘密兵器が、療育家具です。
- 姿勢をラクにするイス
- 気が散らない机
- 安心できる「自分だけのスペース」
これらはすべて、子どもの力を引き出す「仕組み」です。
「できない」ではなく、「できるようにする工夫」を、いっしょに始めてみませんか?
発達障がいのある子どもが学びやすくなるためには、「がんばれ」ではなく「合った環境」が必要です。
療育家具は、姿勢保持や集中力を助け、子どもに安心感を与えてくれる心強い味方。専門家ママの視点から生まれたその工夫は、家庭の中でも手軽に取り入れることができます。
“できない”を責めず、“できるようにする工夫”を。
今日からできる学習環境づくりのヒントを、ぜひ取り入れてみてください。