「集中力が続かない…」そんな悩みを抱えるお子さんに、環境からアプローチしてみませんか?実は、子どもが安心して過ごせる「机やイス」の工夫が、集中力アップに大きく影響するのです。今回は、障害のある子どもの母であり、療育の専門家でもある私・上地玲子が、集中しやすい環境づくりと、その中でも特に効果的な「療育家具」の力について、わかりやすくお話しします。子どもがのびのびと学ぶためのヒントが満載です!

うちの子、すぐ気が散っちゃう…」そんな悩みに寄り添いたい
「ちょっとした音や動きにすぐ気が散ってしまう」「集中が続かず、勉強が進まない」――。
私の息子も、まさにそんな子どもでした。
私は大学で障害のある子どもの教育について研究しています。でも、研究者である前に、一人の母として、日々悩み、試行錯誤してきました。
そして気づいたのは、「子どもが集中できる環境」がとても大切だということです。
とくに、机やイスなどの家具が、子どもの集中力に大きく関係しているのです。
なぜ療育家具が集中力を高めるのか?
では、「療育家具」とはどんなものでしょうか?
簡単に言うと、子どもの特性に合わせて作られた、やさしい家具のことです。
たとえば、ADHD(注意がそれやすい)傾向のある子どもは、イスに長く座っているのが苦手だったりします。
そういう子には、足がしっかり床につくイスや、体が安定しやすい机がぴったりです。
また、周りの物や音に気を取られやすい子には、視界がすっきりする形の机や、必要な物だけが置ける棚が役立ちます。
こうした工夫があることで、子どもが「安心して集中できる空間」が生まれます。
それが、療育家具の一番のちからです。
実例紹介:家具が変われば行動が変わる!
私たちは、木工の職人さんと一緒に「イーチェスク」という学習机を作りました。
これは、障害のある子どもでも使いやすく、集中しやすいように考えられた家具です。
実際に使ってくれたお母さんから、こんな声をいただきました。
「今までは10分で席を立ってしまっていたのに、イーチェスクに変えてから、30分以上集中して勉強するようになりました!」
「イスの高さや足置きがちょうどよく、体がぶれにくくなったんです。姿勢が安定したら、落ち着きも出てきました。」
このように、家具を変えることで、子どもの行動や気持ちにも変化があらわれるのです。
家でできる!集中を引き出す環境づくりのヒント
家具だけでなく、家の中の「ちょっとした工夫」でも、集中しやすい環境は作れます。
たとえば――
- 机のまわりに物をたくさん置かない
- テレビやゲームの音が聞こえにくい場所を選ぶ
- 光がまぶしすぎないように、カーテンで調整する
これだけでも、子どもの気が散りにくくなります。
また、イスにすわったときに足がぶらぶらしていたら、足台を置いてあげると、体が安定します。
「高価な家具を買わなきゃダメ」ということではありません。
お子さんの様子に合わせて、ちょっとずつ環境を見直すことが大切なんです。
子どもの“できた!”を育てるのは、環境という応援団
子どもが「集中できた!」「最後までできた!」と感じると、自信がわいてきます。
この自信こそが、次のステップにつながります。
だからこそ、お子さんに合った環境を作ってあげることは、何よりの応援になります。
療育家具は、その応援団の一員です。
私はこれからも、母として、研究者として、そして同じ悩みをもつ皆さんの仲間として、
「子どもがのびのびと学べる環境づくり」を一緒に考えていきたいと思います。
まとめ
集中力が続かないのは、子どもの努力不足ではなく、環境が合っていないだけかもしれません。家具を変えるだけで、姿勢が安定し、気が散りにくくなる。そんな変化を、私は母として、そして研究者として目の当たりにしてきました。お子さん一人ひとりに合った空間を整えることが、学びや「できた!」という成功体験を支える土台になります。家庭でできる小さな工夫から、療育家具の活用まで、ぜひ一緒に考えてみましょう。